123.「十牛訓 第一図 尋牛」

 新シリーズ(十牛訓)を始めます。十牛訓は、禅の教えで、修行の段階を説いたものです。自分がどの段階にあるのか、今後の目指すところはどこなかのご参考になると思います。

 

色紙 表「十牛訓第一尋牛之頌 茫ゝ撥艸(くさ)云追 尋水濶山遥路 更深力尽神疲 無処覓(尋)但聞楓 樹晩蝉吟 一千九百六十六年新春 天風」

色紙 裏「註 茫ゝとして草を撥って 去って追尋す水濶(ひろ)く 山はるかにして路さらに深し 力尽き神疲れて求むる処なし ただ聞く 楓樹晩蝉の吟ずるを」(湘南堂書店より)

 

 「盛大なる人生」の第五章 大事貫徹 に「十牛訓」の説明があります。この本の挿絵は、野尻さんという天風会員の方が書かれたものです。

 今回の「十牛訓」シリーズは、天風先生の色紙がありましたのでご紹介していきます。

 

 「十牛訓(尋牛)」です。

 読み方を購入先(湘南堂書店)よりもらいましたが、よく分かっていません。

本に載っている歌「たずねゆくみやまの牛は見えずして ただ空蝉のこえのみぞする」と同じ意味だと思います。

 病なり運命なりがよくなく、「自我の本質」を探し始めたところです。

 禅では、人間たちが自分自身を見失っている本然の自性、つまり自我の本質を探し求めようとする最初の気持ちだから、「初発心」というそうです。ここでは、「感謝を先にすると喜びが同時に生まれるという宇宙真理」が載っていました。起きること、すべてに感謝することが大切です。

 

追記)言葉の意味がよく分からず残念ですが、お分かりの方がいらっしゃたら、お教え願います。

 

・以下、「盛大なる人生」(第五章 大事貫徹 より)

「第一番が「尋牛」です。

 一人の牧童が、牛を尋ねて深い山の中にわけいっている状態。そして、あちこちを眺め見渡しながら、牛らしいものはないかいな、いないかいな、と目をみはって、そして探しだせないで、困りよわっている状態。

 これには、詩がついている、

「たずねゆくみやまの牛は見えずして ただ空蝉のこえのみぞする」

 

 これは、心身統一法のほうでいうと、病なり運命なりにつきあたって、どうにもしようがなくなっちゃって、何とかして救われたいんだが、救われる方法はないだろうか。いちばん初めの気持ちをかたどったものです。

 禅のほうではこれを、人間たちが自分自身を見失っている本然の自性、つまり自我の本質を探し求めようとする最初の気持ちだから、「初発心」といいます。初発心を暗示したものです。

 

感謝を感じた時の心が本当の喜びなんだと。私はあなた方に何よりも感謝をまず考えろと教えているでしょう。ところが、多くの人々は、感謝を先(さき)にすると喜びが同時に生まれてくるという宇宙真理をややもするするとおろそかにして、その反対に、喜びを先に感じなきゃ損じゃないかと、いうふうに考えになるからいけないんだよ。」(「盛大なる人生」第五章 大事貫徹 より)