184.「虎」

 1963(昭和38年、天風先生86 or 87)の「虎」の絵です。眼光が鋭く、威厳があります。

 「虎」は、運命を拓く 第八章 人生の羅針盤p191に載っていました。人間は「虎」に追いかけられて松の木に登ったり、色々な状況に置かれます。ですから、正しい人生に絡(から)まる真理を自覚して活きることが大切です。

 

・以下、「運命を拓く 第八章 人生の羅針盤p191」より

「いつかも話したことであるが、人間というものは、虎に追いかけられて松の木に登り、松の木に上ってみると、上から大きな蛇が来て、進退きわまって足元の葛(かずら)に伝わって谷の底の方に行こうとぶら下がっていると、その蔦葛(つたかずら)をリスがぼりばりかじっている、という状態の中で活きているのが、人生の全体のすがたである。

 ただ、自分が虎に追いかけられて逃げたら蛇に呑まれようとしている。そしてきわまって、ぶら下がった蔦葛の根元をリスがかじっていると気が付かない人間は、ポーッとして生きているだけである。けれども、何の用意もなくそうした人生を生きていると、ハッと気が付いたときには、まだその蔦葛がかじり切られないうちに、もう手を放して自分が落ちてしまう。

 だから、こう考えてみると、実際、油断も隙もないのが、人生の本当の”すがた”なのである。

 

 だからこそ、我々は、何を措いても、正しい人生に絡(から)まる真理だけは自覚して活きなければならないのである。」