221.「十牛訓 第一図 尋牛(じんぎゅう)序」1964年

 前回は、「十牛訓」は1966年の「頌」シリーズでした。今回の1964年は、「十牛図」の「序」シリーズです。

 1966年は、「頌」でしたが、1964年は「序」です。

 読みがついていなかったので、webから探してみました。

 

頌:1.人の美徳をほめたたえて詩歌にする。功徳をほめる。ほめことば。「頌歌・頌辞・頌徳・頌美」。たたえて祝う。

 

・以下、webより

 読み下し

従来失せず、何ぞ追尋を用いん。

背覚に由って、以って疎と成り、向塵に在って遂に失す。

家山漸く遠く、岐路俄かに差う。

得失熾然として是非鋒の如くに起こる。

 

 意味

本当の自分を探すなどと言ったところで、自分とは自分を探そうとしているこの自分に他ならない。

それなのになぜ、自分を探そうなどという見当違いを起こす必要があるのか。

 

はっきりとここに存在する自分に目を向けず、今の自分は本当の自分ではないと思う、あるいはそう望む自我意識によって、却って人は自分から遠ざかる。自分を見失う。