59.「渾身似口掛虚空、不問東西南北風、一等為他談般若、滴丁東了滴丁東」道元禅師

 詩の出典は、道元禅師の正法眼蔵です。安定打坐の気持ちを表現したものだと思います。

 

・以下は、webよりの解説です。

先師古仏云、渾身似口掛虚空、不問東西南北風、一等為他談般若、滴丁東了滴丁東。

 

これを、もう少し解かりやすく。

 

先師曰く、

渾身、口に似て虚空にかかる、東西南北の風を問わず、一等、他が為に般若を談ず、滴丁東了滴丁東。

 

これを、私なりに読み解きます。

 

全身を口のようにして虚空にかかっている風鈴は、東西南北から吹いてくる風を選ぶことをせず、ひたすらに真理の音だけを鳴らしている、ちりん、ちりん・・・と。

 

つまり、

 

「滴丁東了滴丁東(ていちんとうりょう、ていちんとう)」とは・・ちりん、ちりん・・・と鳴る風鈴の音のことなのです。