「クンバハカ活用法」木曜行修会    服部嘉夫

                          201811月8日

クンバハカは天風会の三大密法です。密法とは秘密の法でなく、最も大切な方法と云うことです。

因みに三大密法は、活力吸収法(プラナヤーマ)と安定打坐法(天風式座禅法)そしてクンバハカ(神経反射調節法)です。クンバハカは心身統一法の感応性能を積極化させる三つの方法の一つです。一つは潜在意識から心を強くする方法の観念要素更改法で、二つは実在意識から心を強化する積極観念養成法であり、三つ目は、身体の体勢を調え、神経系統を安定確保して身を守る方法のクンバハカ(神経反射調節法)です。

クンバハカの活用法を述べる前にクンバハカの正しい体勢について述べます。

1)   仙骨神経叢(骨盤神経叢)を安定確保させるため 肛門を締め上げる(臍下丹田に力が込もる)。

2)   横隔膜神経叢を安定させるため、両肩の力を脱いて下ろす。

3)   腹腔神経叢を安定させるため下腹部に気力を込めて充実させる。

以上3つは同時(三位一体)に行う。

4)   その瞬間一時息を止める。

一瞬息を止めた状態を絶対(完全)クンバハカと云い、息を止めず三位一体の状態を相対クンバハカと云います。

常に絶対クンバハカを訓練していると、いざ身に係る事態が起きた時、咄嗟に身を守ることが出来ます。

それでは、どんな時にクンバハカを活用すると、どんな効用があるかクンバハカ活用法を述べます。

(1)入学試験や入社試験の面接や人前で話すような大事な場面に臨むと心臓がドキドキし、一般に「上擦(うわず)る」とか「上る」と表現される時にクンバハカをすると落ち着いた状態になれます。

(2)感情特に怒り、怖れ、悲しみ等の消極感情が発生した時「腹が立つ」「(はらわた)が煮え繰り返る」「断腸の思い」と表現されますが、クンバハカすると逸速く解消できます。

(3)自動車を運転したり、パソコンに熱中すると肩凝りの原因になります。クンバハカをして肩の力を脱いて下ろすと脳への血液の流れが正常化されます

(4)冷水浴を行ったり、熱い風呂に入る場合の急激な刺激を生じる時にクンバハカをすると刺激に対応できます。

(5)地震、落雷、火災、交通事故、抜歯、注射、打撲等外界から急激な刺激、ショックを受けた時は特に絶対クンバハカ(一時息を止める)をすると身を守ることが出来ます。

(6)重量上げの選手や老人介護をする人のように重いものを持ち上げる時、ぎっくり腰にならないようクンバハカをする。

(7)階段を降りる場合、初めは注意して降りますが、その内馴れて気が抜け、降り切る手前3段目で転ぶことがあります。階段を降り切る手前で意識明瞭にするためクンバハカをすることです。

(8)天風会の行修の中でクンバハカ体勢になる時があります。

1)   活力吸収法 2)呼吸操練 3)統一式運動法 

その他クンバハカを応用して行う方法として、

1)   自己調和法 2)活力の移送法 3)養動法

 

があります。