木曜行修会 「人間は完全である」 服部嘉夫  2019年11月14日

　今私が居ることは、父母が居たからであり、私の父母には、それぞれに両親である祖父母が居て、1億回遡(さかのぼ)り、1世代を35年とすると、35億年前より、私の生命は永久と続いて来たのです。私の生命の長さは、35億年+現在の戸籍の年齢と云うわけです。私の生命になる要素である何ものか、見えざる実在があったから、私が居るのです。無から有は生じません。

　その見えざる実在は、自然、大生命、造物主、根本主体、神、佛等と云われ、天風先生は見えざる実在の霊妙なはたらきを賛美して「宇宙霊」と名付けています。

　私の生命は宇宙霊より生じたもので宇宙霊の分派、分流であり、同根です。宇宙霊より生じた万物の霊長としての人間は「完全でそして人生の一切に対して絶対に強くあるべきだ・・・」（大偈の辞）と天風先生は申されます。「人間本質自覚の誦句」の中でも「人は万物の霊長として宇宙霊のもつ無限の力と結び得る奇(く)しき働きをもつものを、吾が心の奥に保有す。」とあります。現象的にみれば、「弱き者人間なり」とか「人間は不完全である」と思われますが、本体的にみれば「人間は完全である」のです。「火事場の馬鹿力」と云う言葉があります。力の出し方を知らないで、自分は力がないと思っています。親から譲られた財産が金庫に入っているのに、金庫の鍵がなく貧乏している状態が今のお前達の姿だ」と天風先生は良く云われました。その金庫の鍵が心身統一法であり、誦句 坐右箴言の初めに次のように述べられている「私は最早何事をも怖れまい。それはこの世界並びに人生には、いつも完全ということの以外に、不完全というもののないよう宇宙真理が出来て居るからである～」この天風先生の真理の言葉を信念的自覚念することです。