113.「誦句集 坐右箴言」

 「私は最早何事をも怖れまい。それはこの世界並に人生には いつも完全ということの以外に 不完全というもののないよう 宇宙真理が出来て居るからである。

否、この真理を正しく信念して努力するならば 必ずや 何事と雖(いえど)も成就する。だから今日からは如何なる事があっても 又如何なる事に対しても かりにも消極的な否定的な言動を夢にも口にするまい又行うまい。

そしていつも積極的で肯定的の態度を崩さぬよう努力しよう。

同時に常に心をして思考せしむること()は 人の強さと真と善と美のみであるよう心がけよう。

たとえ身に病があっても 心まで病ますまい。

たとえ運命に非なるものがあっても 心まで悩ますまい。

否一切の苦しみをもなおたのしみとなす強さを心に有()たせよう。

宇宙霊()(直接)結ぶものは心である以上 その結び目は断然 汚がすまい事を 厳そかに自分自身に約束しよう。」

 

この誦句も、多くの人が口ずさんでいます。運命を拓く 第九章 第一義的な活き方 では、以下のように述べられています。ふだんからの心がけを、「”真”、”善”、”美”以外には、心を使わない」とすることが大切です。

 

「第一義的な生き方というのは、何だろう。

天風教義の目的は、どんな場合にも、たとえば身に病があろうが、なかろうが、運命が良かろうが、悪かろうが、その他の人生事情のいかんにかかわらず、いつも一切に対して、その心の力で、苦を楽しむの境界に活きる活き方をすることにある。これが第一義的の活き方なのである。

そして、そういう活き方をするにはどうしたらよいか。

それには何をおいてもまず第一に人生に対する考え方を根本的に変えなければいけない。考え方というのは積極的だということ。そして積極的とは尊く、強く、正しく、清くということはすでに何度もいった。

とにかく、何遍もいっているとおり、造物主の無限智と、人間の潜在意識との冥合(めいごう)を重大に考えなければならない。それをおろそかに考えているから、すぐ結合を邪魔してしまうのだ。自分自身の心の中の思い方や考え方が良くも悪くも自分自身を作り上げるのだ。「自然的活動能力」である。これが絶対の宇宙真理である。

常に感謝と歓喜とを心から失わないようにしよう。そして自分の心なのだから積極的に心が変わっていくように真剣に自分の心を焼き直さなければいけない。

そうすると自然に人生に光明がひらめいてくる。光が閃(ひら)めけば闇は消える。真理は誠に当然過ぎるぐらい当然である。歓喜の世界に悲哀はなく、感謝の世界に不満はない。同時に反対のものが二つは出ない。

ふだんからの心がけに注意しなければいけない。”真”、”善”、”美”以外には、心を使わない、というように心をしてごらんなさい。これは、修行の結果によって、私自身が心を作り変えた手段なのである。

 

哲学を研究し、考えて考え抜いたときに、やがて「宇宙霊の心には、”真”、”善”、”美”以外にはない」と悟った。」(運命を拓く 第九章 第一義的な活き方 より)