14.「朝旦偈辞(ちょうたんげじ)」(甦(よみがえ)りの誦句)

・朝旦偈辞

 吾は今 力と勇気と信念とを以て甦へり、新しき元気を(もっ)て、正しい人間としての本領の発揮と、その本分の実践に向わんとするのである。

 吾は又 吾が日々の仕事に、溢るる熱誠を(もっ)て赴(おもむ)く。

 吾は又 欣びと感謝に満たされて進み行かん。

 一切の希望 一切の目的は、厳粛に正しいものを以(もっ)て標準として定めよう。

 そして 恒に明るく朗らかに統一道を実践し、ひたむきに 人の世のために役立つ自己を完成することに 努力しよう。

  一千九百六十年中秋

          統一哲人 天風

  

「運命を拓く」の序章は、「朝旦偈辞」です。この中で以下のように天風先生は、説明されています。毎朝、「朝旦偈辞」を誦えます。

 どんなことがあっても忘れてならないのは、心というものは、万物を生み出す宇宙本体の有する無限の力を、自分の生命の中に受け入れるパイプと同様である、ということである。

 とにかく、人間として生まれた以上、健康的にも運命的にも、理想通りの正しい人生を建設しなければならない。だから、怠らず注意深く、自分の心の中の思い方や考え方を積極的にすることに努力しよう。そのために、観念要素の更改とか、神経反射の調節とか、積極観念の養成とか、修練会に来て、安定打坐で、雑念妄念を綺麗に洗い浄める方法を教わったわけである。

 いわゆる、安定打坐の無念無想の状態は、死と一歩の境ではないか。大死一番の境涯である。もっと、人生を、余裕のある心の状態で活かしなさい。

 そこで、毎朝眼が覚めたら、甦(よみがえ)りの誦句というのを、厳かに、自分の心に、自分自身で、口誦(くちずさ)んで植えつけていく。

 “甦(よみがえ)りの誦句”。これは修練会で毎朝、私が朝のご挨拶のときに、あなた方の耳に入れるけれども、これは極めて大事な誦句である。

 

 本当に、これを自分の心のものにしなければならない。