木曜行修会 「執着」  服部嘉夫         2019725

 

 私達天風会員は感応性能の積極化により、心が積極化され、天風式座禅法である安定打坐法を厳修し、心が安定化され虚心平気の境地を得ることができます。

 その心を使用する場合、分散して使うと(あぶ)(はち)取らずになり、対象(物)に心が引きずられ主体性を失い、好い加減になり効率は良くありません。

 心の分散を防ぐには、意識を明瞭にして有意注意をもって、一心不乱とか、一生懸命になれば良いかと云うと、そうでもありません。ある奥さんが宝石が欲しいと思い、そのことに夢中になったり、代議士が名誉、地位、勲章にこだわるのは、心の状態が対象(物)に附着してしまい二()も三()も行かない場合で執着と云います。

 一つの対象(物)に強く心をひかれ、それに固着してとらわれる心の使い方も能率の良い心の使い方とは云えません。それには、固まった心を柔軟心にさせるため、転換が必要です。昔から「良く遊べ、良く学べ」と云われています。

 「集中と転換」が上手だった人は聖徳太子です。「七人の訴えを同時に答えた」と云われています。集中と転換が速かったのでしょう。

 世の中には心の切り換えが出来ず、一つのことにいつ迄もこだわる人がいます。心の切り換え、心の転換が必要です。

・心の転換の訓練法

 1)一つのことをやったらけりをつける

 2)物事が片づいた後に(しこり)を残さない

 3)気分を刷新して心機転換を計る

 4)気持ちを入れ替える

 心の転換が上手になるには意思を強くしなければなりません。

 それには心を積極化する観念要素更改法、積極観念養成法、神経反射調節法を実践することと、とらわれやこだわりを除去し、本心を煥発する安定打坐の厳修が大切です。

 

 ()まず、(たゆ)まず、一にも実行、二にも実行いたしましょう。