33.「忘己以観物 忘物以観道(己れ忘れて物を見よ 物を忘れて道を見よ)」

 「哲人哲語 23.統一と統合と真和p168」の最後に「忘己以観物 忘物以観道」が載っています。天風先生は、「23.統一と統合と真和」の中で以下のように述べられています。心身統一法の実践・実行を熱奨されています。

 「統一=統合=真和の真諦(しんたい)を悟了した実践の世界に活き得て、真の生きがいを実感出来る。然るに、実行に専念精進せずして、シーソー生活を行っているとしたら、道を知らざりせば何をか言わんやですが、かりにも道を一旦知った者としては、およそ自己侮辱以上の自己冒瀆(ぼうとく)だと、厳かにいましめる次第であります。そういう人は、次の章句を、何年かかってもよいからじっくり考えて、考えるだけでなく、ひたむきに実行に移すべく努力されたいと敢えて熱奨します。忘己以観物=(己れ忘れて物を見よ)、忘物以観道(物を忘れて道を見よ)」

 

更に、「23.統一と統合と真和」には、天風先生の以下の自偈を組織の信念基調としている旨があります。

 

 「自分自身の心に与え得た自偈は、『人生の行路なるものは、何を措いても先ず人間の使命を遂行ということに心を置いて、正念不抜、一念不動その一歩一歩を、的確に踏みしめて行くことである。人間の使命を正しく遂行するには、その第一の先決問題は、○完全生命の建設である。○完全生命の建設は、生命力の充実である。○生命力の充実は、先ず生命全体の統合を期成することである。○全生命の統合が期成されると、生命に潜在する勢力が煥発される。○潜在勢力の煥発が具体化されると、自然法則のもたらす当然の結果として、生命確保の全機能が期せずして極めて調和ある活動を開始する。○而して、この重大義の決定は、ただ偏(ひと)えに心と肉体とを如何なる場合にも、真理に則して正しく処置し、統御して活きることである』と。要するに、吾等天風会同人の人生教義として教えられ導かれている心身統一法なるものは、この自偈をその組織の信念基調として、作り上がられたものなのであります。」